学問がすべて

いい加減なことを言ってみろ、ファクトチェックしてやる。

「一本足打法」語誌


https://twitter.com/girlmeetsNG/status/1696286919104061799

 このポストに対して、「それを言うなら『一本足打法』ではなく『一本槍』だろう」というコメントがあった。言われてみれば確かにおかしい。野球の打撃フォームと「一本槍」・「一辺倒」とは、何の関係もない。

 だが、調べてみると、「一本足打法」を「一本槍」という意味で使う例が無数に見つかる。

https://twitter.com/citizen_dayo/status/1761227928355078570

https://twitter.com/mansaku_ikedo/status/1760689641181807020

https://twitter.com/Russell150m/status/1760649485741678631

 これは単なるネットスラングではない。その証拠に、先日、紙の新聞でこの表現が使われているのを見た。真面目な記事で飾り気もてらいもなしに使われていたくらいだから、すでに一般的な表現になっていると考えるべきだ。
 実際、デジタル大辞泉はすでにこの用法を載せている。

 「一本足打法」を「一本槍」の意味で使うようになったこと自体は不思議ではない。音が似ているからだ。よく槍玉に挙がる「すべからく」や「押っ取り刀」の誤用の同類だ。

 さらに調べてみると、以下のように2007年の用例が見つかった。

経営も三越本店の一本足打法で、全国展開しているとはいえ、多くが赤字の小規模店舗。


Yahoo! 知恵袋 2007年8月

 一方、2008年までのデータを収録したコーパスで検索してもこの用法は出てこない。「一本足打法」を「一本槍」という意味で使うことは、2007年時点で存在したものの、まだ一般的ではなかったと考えられる。


 さて、新しい言葉や表現について調べていると、コーパスのデータの古さを実感する。
 ほとんどのデータは2005年以前のもの。辛うじて、2005-2007年の教科書、2008年のブログと広報紙のデータが収録されているのみだ。2011年に完成したものだから仕方ないとはいえ、10年以上も更新なしというのはよろしくない。新しいデータを収めたコーパスがほしい。

娯楽作品では「お勉強」できない


 問:英語で「天王星」を何と言うか。続きを読む

日本人は何故英語が下手なの?


 日本人は何故英語が下手なの? (言語学板

1 :イルボン マンセー:01/10/12 04:17
情報センター出版局刊 朴 炳植著「日本語の悲劇」によると、
日本語は母音が5つしかないので母音が多い英語が下手だ。と言っていた。

でも、確かアラビア語は母音が3つ(間違ってたらスマソ)でけど、
アラビア人が英語が下手って話は聞かんな。

 1が言っているのは、「日本人が英語が下手な理由」ではなく、「日本人が英語の『発音』が下手な理由」である。続きを読む

読書感想文は「教訓好き」のためのもの


https://twitter.com/t_tomono/status/1550454892963459072

 「令和の」というが、『必ず書けるあなうめ読書感想文』(粟生こずえ:著 青木伸生:監修 学研)が2007年に出ているように、読書感想文のテンプレートやチュートリアルは昔からある。

 これに対しては、肯定的な意見も多い。

https://twitter.com/pain_Schneehexe/status/1550740132948758529

https://twitter.com/echocist_joker8/status/1550473894855081984

https://twitter.com/HongMing_JPN/status/1550766016338468864

https://twitter.com/saekiyou/status/1550472238738317312

 だが、「型にはめる」ことが有効なのは、型が正しい時だけである。型が間違っている場合、模倣は悪、守破離は悪なのだ。

 それでは、読書感想文のテンプレートは正しいのか。続きを読む

知識はそれ自体に価値がある


https://twitter.com/keiyou30/status/1533416970921844736

https://twitter.com/bit_ravel/status/1567983884117381120

https://twitter.com/kontonno_ojou/status/1696638036128436265

 これらのポストを見た時、強い違和感を覚えた。本や知識の重要性を訴えているようで、その実、本や知識に対する愛情が感じられないからだ。続きを読む
最新コメント
  • ライブドアブログ